鯣烏賊 / 第15話

解説 コスモについて

この星に漂う未知のエネルギー。 それこそ「コスモ」である。 コスモこそ、⬛︎人類が探し求めた⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎・⬛︎ー⬛︎となりうる条件そのものである。
【1】 何かしらの「エネルギー」に反応し、そのエネルギーの変化を助け、変化の具合を大きくする。 この性質はさまざまな技術に組み込まれており、日常生活にも幅広く利用されている。 代表的なものでは「電気」への利用である。 コスモという物質は理論上、発電への利用も可能だが、それではあまりにも発電のコストが大きくなってしまう。 そのため、各家庭には「与えられた電気の働きを、コスモを使用して大きく変化させる」装置が設置されている。 こうすることで、最小限の電力でも大きなリターンを得ることが可能になっており、電気代金の節約に繋がっているほか、電気の利用量の多い装置を使っても、コストが大きくならないという利点が生まれている。 コスモは通常、気体と同化しているが、付近で起こった極度なエネルギー変化に反応し、自動的に集合する性質を持つ。 それによりコスモの塊のようなものが形成されるほか、近くにある最も大きなコスモの塊に向けてにじりよって行き、できるだけ大きく一体化しようとする。 そのコスモの塊が強いエネルギーを発していればいるほど、一体化する速度は早まる。 また、このコスモの塊は、外部から極端な力を加えることで「圧縮」することが可能である。 これらは液体や個体へと加工することが、できる。 コスモは、生物の体内にも少ながらず存在している。 生物の体が大きければ大きいほど、体内に内包することができるコスモの量が多くなってゆく。 この性質は人間も同様に反映されるものであり、背が高く筋力量が多い個体ほど、コスモ耐性(後述)が高くなる傾向にある。 なお、例外も大いに存在するため、一概に定義して述べることはできない。 コスモが多く内包できれば、生物の身体能力が向上したり、周りの環境を最大限に利用することが可能となるので、生存戦略として非情に有利な立場となる。 そのため、この星の生物は、巨大化している種がヒエラルキーの頂点に立つことになる。 超大型怪獣が恐れられる所以が、ここにある。 しかしながら、大きい生物から逃れるために体を小さくした生物も多く存在することも忘れてはならない。 虫や小動物なども、力強く生きているのだから。 ----- 2. 上に記したとおり、コスモは外部から力を加えることで「圧縮」することが可能である。 強く圧縮することで可視化、物質化して触れることができるようになる。 ベロキたちの利用する刀の刃の部分なども、この圧縮されたコスモによって形づくられたものである。 コスモは、一定の量までは薬になるが、一定の量を超えてしまうと、生体組織を害する(後述)毒となってしまう。 生体組織を害する。 つまりこの毒のような性質を武器として利用するのが「毒コスモ」。 怪獣サイズの巨大生物相手にはほとんど効果を生まないが、人間相手なら(例外を除く)後遺症が残る程度ののダメージを与えることが可能。 過去に内戦で使用された歴史があり、そのときに生まれた被害から、殺傷目的での利用が禁止されており、そのような目的で保持してしまうと、厳しく罰せられる。 この「毒コスモ」をさらに圧縮すると、だんだんと結晶になってゆき、人間などの生物が手で触れられるようになってくる。 この状態なれば、ほかの物質に、「物質」として力を働かせることができる。 もちろん、他のものを壊すことも可能。 まだ小さな粒子上のものであるが、これを「結晶コスモ」という。 結晶コスモをそのまま高速で飛ばせば、大量の小さな粒子が飛び散り、「サンドブラスト」のように使うことができる。 これをさらに応用し、加工してそれそのものに熱とエネルギーを持たせたものが、「ビーム」などを放つ銃の武装となる。 「結晶コスモ」をさらに圧縮すると、年度のように固まってゆき、終いには大きな結晶となる。 このようなコスモに力を加えることで、さらに圧縮することも可能で、そうするとみるみるうちに強度を帯びてゆく。 完全結晶のコスモは非常に衝撃に強く、それでいて割れにくく、ある程度の弾性も持ち合わせる優秀な加工元素材となる。 このようなコスモ圧縮の技術は時代と共に目まぐるしく進化しており、タングステンの強度を超えたあたりで軍事転用され、「刃」系の武装として定着した。 とある古代技術により、結合がもっとも強い状態では色がさらに濃くなり、黒色となることが確認されている。 この黒いコスモを人の手で作り出すことは非常に困難であるが、素材としての性能は他の追随を許さない。 しかし、黒いコスモにまで圧縮してしまうと、コスモ本来の「エネルギーの動きを大きく変化させる」性質を失うことになる。 ----- 3. コスモは、一定の量までは生物の身体能力を強化し、薬となる物質である。 しかし、オーバードーズが存在するように、当然のことながら、コスモにも生物への適正量と許容量というものがある。 許容量を越えたコスモを体内に取り込み続け、それを排出せずにいると、やがてそれらの分解ができなくなった肝臓を起点に悪影響が表れ始め、最終的には生命現象を停止し命が絶える。 この症状を「コスモ中毒」と呼び、コスモ中毒へ対する体の強さの指標を「コスモ耐性」という。 コスモ耐性には個体差が存在する。 これは上に記した「体の」大きさと比例するように数値が高くなる傾向にあるが、例外が大いにあるため、あまり信用には置けない。 コスモ耐性を測るための計測装置が存在し、それで測ったものの世界的な平均値を「10」定めている。 コスモ耐性の数値は、コスモが常用される社会において死に直結する重要なものであるので、計測が義務となっている。 コスモ耐性の上限については判明していない。 おそらくは青天井ではないと予想されているが、コスモ耐性の計測装置を破壊してしまっては計測が不可能であるため、具体的な値は予測すら立てられていない。 ちなみにこれまでの最高値は215。 最低値は3である。 コスモ耐性が0という事例は、呼吸ができないことと等しいため、ありえないとされている。 コスモ耐性の強さというのは、すなわち一度に使うどれだけのコスモに耐えられるか、ということである。 この値が高ければ高いほど、制御装置によってコスモを多く体内に取り込む「怪獣討伐」という仕事では有利になる場合が多い。 コスモ耐性が高ければ、大規模な攻撃を行うことが可能となり、特に耐性の値が「50」を超える人物は、様々なところからスカウトを受けることもある。 ----- 【4】 コスモをひとつの場所へ留めておくことは、極めて困難である。 大きな反応を起こし続ければ、そこには寄ってくるが、それではコストがかかりすぎてしまう。 そのため、コスモを使用する「武装」の内部には、一定量のコスモを溜めておくのではなく、流動的に、常に大量のコスモを供給する必要がある。 そのコスモを武装外部から吸収し、武装内部へと供給する装置こそ、「コスモ制御装置」である。 個人で使う武装はほとんど全て(例外あり)、この制御装置へと接続詞、コスモを供給する必要がある。 そうしなければ、使用の土俵にすら立てないこともある。 このコスモ制御装置は、使用者の体内からコスモを取り込み、それを変換して武装内部へと供給する。 使用者は制御装置によって取り出されたコスモを急速に外部から吸収する必要があり、この吸収の量と速度が重要なのである。 つまり、上記のコスモ耐性の高低による戦闘の有利不利というのは、「攻撃の規模」と「継戦能力」の問題である。 耐性の低いものは、基礎能力を鍛えるか、それとも前線に出すぎないかなどを考慮して工夫する必要がある。 そうしなければ、耐性の高いものに置いていかれるばかりだからだ。 ----- 以上、『討伐許可試験受験者の為の"討伐理論基礎"と"討伐理論"』より引用。

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