綿ダッコ / 第1話

プロローグ

 全ての儀式や人物、習慣などはフィクションです。  史実を元にしている部分もございますが、独自の物語として再構築しています。  そのため、史実としては扱えません。  あくまで架空の物語としてお楽しみください。  また、実在する(した)人物や団体などは一切関係ありません。  本作では、いじめや暴力など、一部の読者に、精神的負担を与える可能性のある描写が含まれます。苦手な方はご注意ください。また、これら全てを肯定する意図はございません。
 「(すげぇ…………!!)」  夏休みに|浅倉井雅道《あさくらい まさみち》は、|平西市《へいさいし》へ博物館巡りに来ていた。  うちから結構近いから、いつでも来られるし、歴史にハマる前はどうってことなかったけど、今来たらめちゃくちゃおもろいやん!!  さすが、元首都なだけあって道が真っ直ぐや。  しかも、昔からの建物がめちゃくちゃ残ってるし。  目に入ってくる様々な情報全てに、歴史を感じさせられる。  それを目的としてか、何組か旅行客も居る。  なんでこの魅力に気づけんかったんやろ。  |清見女房《きよみのにょうぼう》もここを歩いて、清見女房日記を書いたんかな。  碁盤の目に整備された道を通って、昔の人々が感じたであろう雰囲気を噛み締めながら歩く。  ジメジメとした暑さが全身を覆って、絶対に離さないと言わんとばかりだった。  それでも、そんなのどうってことないぐらい楽しかった。  目線を移す度に、歴史のある建物が目に入る。  元々、散歩は苦手だったけど、毎日したくなった。 「えっ…………」 ——バタン  足で地面を踏ん張れない。  しかも、クラクラする。  もしかして…………熱中症? 「大丈夫ですか!?」  声が遠のいていく…………。  もしかして、このまま…………。 ◇ ◇ ◇ ◇  空間が真っ白だ。  あの世なのだろうか。  少なくとも、病院の天井じゃない。  目を開けたり閉じたりしても、何も状況は変わらない。  360度全てが真っ白で、不安になってくる。  けど、この空間は暑いけど、倒れた時よりは涼しい気がする。  だんだん、声が聞こえてきた。  女性の声が多い気がする。 ——「大丈夫ですか!?はわわ…………、あの方々から見つかる前に運ばないと…………」

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