最強バトルの人 / 第153話

第64話 闘

  ざっ。 ウーミン「――貴様は」 ――儂が、殺したはずの男。 今どき珍しい、禿頭《とくとう》の拳法家。 ざっ。 ドウ「――闘《ドウ》・納得者《ナットンジャ》。貴様を倒す者だ」 ≫≫≫≫≫≫ 最 強 闘 争 ≪≪≪≪≪≪ 闘・納得者   対   黒龍拳の無名《ウーミン》 ────────────────── ドウ「――千一手、八脚拳ーーーーーー!!!!!!!」 ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!!!!!! ウーミン「――噴《ふん》っ!!!」 ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ!!!!! 拳の応酬。 押し勝ったのは、当然。 ウーミン。 一撃一撃の重みが。 年輪が。経験が、違う。 しかし、ドウの表情は、変わらない。 精悍《せいかん》な、ままだ。 互いの実力差を確かめ、二人は、距離を取る。 ウーミン「――貴様。なぜ、余裕ぶっている。儂が怖くないのか」 ドウ「敵が俺より強いことなど、当たり前。俺はただ、拳を出すだけだ」 ウーミン「――儂は、“流れ”を殺すぞ。貴様の息の根など、簡単に殺せる」 ドウ「俺には、“流れ”だとかはよくわからん。それよりも――」 ドウの視線は、一切引かない。 ドウ「なぜ、俺たちの故郷を。シャオの父を、奪った」 ウーミンは、指をこきこきと鳴らし、虚空を見つめる。 ウーミン「――貴様には、わからん。小童には、及びもつかぬことだ」 ドウ「あの娘は、悲しんでいる。十年間も、貴様ごとき一介の老人に、囚われている」 ピクッ。 ドウ「この俺が、貴様を倒す。そして、共に前に進むのだ」 ウーミン「――ほう。口だけは達者なようだ。貴様に儂が倒せるとは思わんが」 ドウ「倒せる、倒せないじゃない。俺はただ、拳を――」 拳を、握りしめ――。 ドウ「何度も何度も何度も何度も!! 突き出すだけだーーーーーー!!!!! 千一手八脚拳ーーーーーーーーーー!!!!!」 ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!!!!!!! ウーミン「――!」 ――此奴の拳とまともに打ち合うことはない。 一手一手、捌けば良い。 この連撃の“流れ”を、殺す。 ――しかし。 ウーミン(――此奴) ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!!!! ドウ「うおおおおおおーーー!!!!」 ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!!!!! ――止まらない。 どころか――。   ドウ「――うおおおおおおーーー!!!」 早く、なっている!! その拳の数は――。 100。 200。 300。 400! 500! 600! 700――! ウーミン「――洒落くさいわぁーーー!!!」 ドボボボゥ! 禿頭の腹に、龍の爪を三連撃。 しかし――! ドウ「うおおおおーーー!!!!」 ウーミン(――!) ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!!!!!! ウーミン「ぐ、ぐおおおっ!!!」 身を守るが。 50発ほど、入れられた。 拳の跡から、しゅー。と、煙が立ち昇る。 ドウ「……まだ、千発は遠いか」 ウーミン「――貴様」ギリッ なぜ、儂が圧倒されている。 力の差は歴然だ。なぜ……! ドウ「今の俺には、火鍋老師の『最強の意地』が、ついている。貴様の拳など、何度打たれても、倒れることはない!」 ぽた。 ぽた。 ぽた。 ――此奴。 ウーミン「――ふ、ふふ……!」 ドウ「――何が、おかしい」 ウーミン「ふははは!!!」 ドウ「――来ないのなら、行くぞ!」 ウーミン「――やってみろ。貴様らの異様なしぶとさ。看破したわ」 ――腹を抉られても。 ――血を噴き出しても。 ――何度も何度も立ち上がる。     ウーミン「――詰まるところ」 ぽた。ぽた。ぽた。 ウーミン「……ただの、『痩せ我慢』ではないか」 どぱぁっ。 ドウの腹から、血が一斉に噴き出る。 ドウの顔は、生気を失っていた。 ウーミン「血が、水溜まりになっておる。貴様はすでに、終わっている」 ドウ「俺には、血など見えぬ。見えるのは、貴様のにやついた面《つら》のみだ」 ウーミン「――哀れな男よ」 ウーミンの龍の爪が、ドウの頭を鷲掴みにする。 ウーミン「……馬鹿げた精神力だけは、認めてやる。だが、精神のみでやられる儂ではないわ」 ドウの体は、もはや動かない。 べしゃあっ。 ウーミンの手が、ドウの頭を血溜まりに這いつくばらせた。 ドウが、こときれた。 ――すでに、死者か。 もう、口を開くこともない。 ウーミン「――届かぬものを、身の程知らずにも掴もうとした者の、末路か」   一瞥。 ざっ。 ざっ。 ざっ。 ざっ。 ざっ。 ざっ。 ざっ。 最後の一人。 シャオ・ロンパオ。 ざっ。 ざっ。 ざっ。 貴様を殺し、黒龍は、戦争を開く。 さらに強い武を。 さらに強い“国”を。       さらに強い、“中国”を。       ざっ。     ざっ。     ざっ。       ウーミン「――――――して。」     ざっ。       ウーミン「――なぜ、貴様も起きている。シャオ・ロンパオよ」   ウーミンの目の前には。 目が虚ろなままのシャオが。 操り人形のように、立っていた。     シャオ「――――――?」
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