最強バトルの人 / 第28話

第20話 ドウ vs シャオ

目の前にハゲがいる。 そのハゲは、なんだかとっても嬉しそうだ。 無理もない。この私と組み手ができるのだ。 私もなんだか嬉しくなって、普段はやらない挑発をしてみる。 手のひらを上にし、指をくいっ、くいっ、と曲げた。 「こいアル! ハゲ!」 ハゲは一直線、向かってくる。 「言われなくとも! これをみろ! 千手八脚拳ーーーーーっっっ!!!!」 ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!!! ひとつひとつの拳をいなしながら、私は次の拳を読む。 ――――速いっ! 四天王たちと戦ったときより、格段にっ! なるほど! これまでやられてきた黒龍拳のものたちは、ハゲのことがこう見えていたのか! いきなり速いハゲ頭が飛んできて、視界を覆うほどのバカげた手数を放つ! 確かにこれは、理屈はある。 生半可な相手なら、突然の出来事に、自分が何をすれば良いかわからないまま、全ての拳をくらってしまうのだ。 だけど――! 「――そこアル!」 どっ! 私は生半可な相手ではない。 ハゲの脇ばらに掌をおみまいする。 私の目なら、ハゲの全部の拳が見える! 次に出す拳も予想できる! つまり、圧倒的な拳のすきまの、打てる場所が見えてくる! ――――が、 「ーーーーーーーーっっっ!!!!」 ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!! ――今のハゲは、 止まらない! たまたま打てた拳など、大した威力ではない。 この程度なら、無視して連打を続けられる! 速さ、耐久、持続力! どれもが上がっている! とはいえ、 タンッ 私は地面を踏み込み、後ろにぴょんと飛ぶ。 踏み込んだ地面が大きくえぐれた。 われながらすごい脚力アル。 距離を大きくとった私に、ハゲが嬉しそうに叫ぶ。 「ふ、ふ、ふ。はぁーーーはっはっはっは!! みたか! シャオ! 初めてお前を後ろに退かせたぞ!! はーーはっはっはーー!!」 無邪気に笑っている。 ふふん。バカなハゲだ。 面白いので少し眺めていると、火鍋が声を出した。 火鍋「おい! コイツはもうお前の知ってるハゲじゃねえぞ。根性、意地。それらがコイツを強くする! 名付けて、スーパー・ハゲだ!」 ハゲは反論する。 「ちがいます、老師! 新たなるドウ・ナットンジャ、若き大樹の芽生えですっ!」 ――たしかに、引き伸ばされている。 私の中では、ハゲは4.5。しかし、そこに火鍋の教えが組み込まれている。 この感覚は当てにならない。 私は、今度はハゲに近づくため、足を踏み込んだ。 そしてまた連打をはじめるハゲに、今度は――。 「よく」 「わからないアル蹴り!」 そのまま地面に手をつき前転、ハゲの連打をかいくぐり、回転かかと落としを決めた。 「――ぐ!」 火鍋が叫ぶ。 火鍋「止まるな! 千手だ!」 「――はい!」 ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!! 私はまた、手で地面を押し出し、その場をはなれた。 ヒットアンドアウェイ。 ハゲよりも体格の劣る私は、ぴょんぴょん跳ねながら、スキをみて一撃を狙う。 ――そして。 今のハゲはカンタンな拳では倒れない。 ならば! ――――「気」――――。 全身を巡る命のエネルギー。 その“流れ”を読み、エネルギーを一か所に集め、打つ! 私流、『発勁《はっけい》』。 あのとき、肉まんの屋台に並び、ジョアンナに放った技! もう一度、ハゲに近づく。 また千手を打つハゲ。ほんとにそれしかないアルな。その連打をかいくぐ――。 ハゲが笑う。 「これをみろ! シャオ! ――『八脚《はっきゃく》』!」 ドウの蹴りが、八発! 脛! 膝! 丹田! 脇腹! 鳩尾! 喉! 顎! こめかみ! そうだ。ハゲにはこれもある。 私は、すべての蹴りに蹴りを合わせ、身を守る。だが――。 「――千手八脚拳ーーーーっっ!!!」 ドドドドドドドドドドドドドドドド!! 体勢の整わない私に、無数の拳が襲いかかる! 「はははーーーっ!! まいったかーーーっっ!!」 ドドドドドドドドドドドドドドドド! ふん。こどものころから変わらないやつめ。 私はハゲの足下にしゃがんでもぐり込む。 「!」 ドウが驚いている。 そのアゴにめがけて――――。 頭突きを一発!! がぁぁんっっ! 「――――だぁぁっ!!」 クリーンヒット。 そのままの勢いで私は空中に身を投げ――。     クルクルクルクルクルクルクルクル――! 高速回転する! 右足をのばし、そのかかとに気をため――! かかと落としによる、発勁《はっけい》を――っ!!      │      │      │      │      │ 「やっぱりハゲはまだまだアルなかかと落としーーーーーーーー!!!!」 どっごぉーーーーーーーーーん!!!!! 「ぐわあああああああああああ!!!!!」     ――ハゲの頭にクリーンヒット! そのままハゲは地面に叩き落とされ――。      │      │      │      │      │ \ずっどぉぉぉぉぉぉぉん⭐︎/ 地面がクレーター状に凹んだ。 火鍋が嬉しそうに笑う。 火鍋「勝負ありっ!! 勝者、シャオ!!」 「やったアルっ!」 私は小さく飛び跳ね、ガッツポーズをした。 みたか。 ◆━━━ 最 強 バ ト ル ━━━◆ ドウ・ナットンジャ vs シャオ・ロンパオ ――――――勝者 シャオ・ロンパオ ――――決まり手 やっぱりハゲはまだまだアルなかかと落とし

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