最強バトルの人 / 第24話

第16話 漢たちの四畳半フォーク

火鍋「退院だーーーーー!!!!」 ドウ「やったーーー!!」 シャオ「やったアルーーーーーーー!!」 ↑武勇伝を聞かなくて良くなって嬉しい 子パンダ「キューーーン!!」 * 火鍋が退院した! まだ、ギブスも包帯も車椅子もしたままだが、ついに、修行が始められる! 早く修行せねば。黒龍拳は今にも第三の刺客を送ってくるだろう! それまでに! みなを守れる力を得るのだ! 俺と子パンダは、火鍋の四畳半の家に寝泊まりさせてもらえる。 神雷火と暴風火も一緒だ! グルグル巻きにして、キッチンの横のスペースに縛り付けている! 彼らは、実に仲良しだ。暇なのか、よくしりとりやにらめっこをしている。 シャオ「私は泊まらないアル?」 当たり前だ。とにかく狭いし、この年の少女が男の部屋など、不健全だ。 俺は家計のなかからホテルの宿泊費を渡した。 そして! ――退院後! 修行初日の――!       夜。         火鍋「あ、それポン」 ドウ「……」カチャカチャ 神雷火「ふふふふ、ロンだ」ズラーッ 暴風火「なにっ!? 神雷よ! 七対子《チートイツ》だと!?」 …………どうしてこうなった。 なぜ、俺たちは男4人集まって麻雀を楽しんでいるのだ。 子パンダ「キュウ?」パタパタ 神雷火「ああ、それだ」 もちろん四天王ふたりは、手を縛っているので、合図で子パンダに牌を切ってもらっているのだ。 ドウ「……老師! なぜ俺たちは、のんきに麻雀を楽しんでいるのですか!?」 神雷火に点棒を払いながら、俺は踏み込んだ。 火鍋「漢が4人集まったら、当然麻雀するに決まってんだろ。ほい次だ」ジャラジャラ 神雷火「よしきた」ジャラジャラ 暴風火「次はもらうぞ」ジャラジャラ ドウ「……! 老師! この者は敵なのでは!?」 火鍋「漢が一度喧嘩すりゃあダチだろ」チー 神雷火「ふふふ、それはどうかな」リーチ 暴風火「なにっ!? さすが、四天王麻雀最強の男よ」     …… 俺は強くなりたい。     神雷火「あ、それロン。三暗刻《サンアンコー》」 ドウ「おれは、弱いっっっ!!」フリコミ     シャオ「ニーハオー、なにやってるアルか?」ガラッ 火鍋「おい、シャオ! このハゲにちょっと教えてやれ! こいつ弱すぎる!」カチャカチャ     ――黒龍拳四天王二名を交えたしみったれた麻雀に、一輪の花が加わった。 * シャオ「これを切るアル」 ドウ「なるほど! そうか、麻雀とは、如何に運を呼び込めるかというゲームなのだな! 奥が深い! はっはっはー!」     * 翌朝。 昨日は結局深夜まで麻雀漬けだった。 俺は何度も振り込みつつも、シャオに教わった捨て牌の技術で、少しずつその実力を伸ばしたのであった。 チュン チュン 良い朝だ! まずは皆を起こし、さっそく修行を頼み込もう! 俺はそう思い、ぼろぼろのカーテンを開く。 ドウ「さあ、皆の者! 昨日の勝負を忘れたわけではないが、さっそく体を動かし、充実した健康的な朝を迎えるのだ!」 火鍋は目をこすりながら、気だるげに言った。 火鍋「……メシ」 火鍋「……ゴミ捨て、食器洗い、掃除、洗濯……ぐおおおおお」zzz ドウ「老師。俺はここに修行のために来たのです。そのようなことに時間を費やすなど……」 火鍋「テメーは居候させてやっている恩も忘れてなに寝惚けたこと抜かしてんだコラァ!! 宿代とってねぇだけありがたく思えハゲタコ助ぇ!! 俺は寝る」zzz 言われてみれば確かにそうだ。 俺が間違っていた。家事くらいすべきだ。 よし、さっそく―― シャオ「ニーハオーアル」ふわあ ドウ「ニーハオ。シャオ! まずは火鍋の家の家事だ! シャオも手伝うのだ! 私は掃除! ふふふ、新築のようにピカピカにしてくれよう!! はっはっはーーー!!」キュッキュッキュッキュッ、ゴシゴシゴシゴシ シャオ「私はご飯つくるアル」ふわぁー、ゴシゴシ 神雷火、暴風火「zzz」 子パンダ「キュウ」zzz     * 昼。 ついに! 修行の時間だ。 火鍋老師の目がきらりと光っている。老師もどこかうれしそうだ! 俺たちは火鍋老師とともに、近所の河川敷までやってきた。 四天王ふたりは子パンダが見張っている。 火鍋「よし! ついに待ちに待った修行だな!」キラキラ ドウ「はい! 修行です!」キラキラ シャオ「やっとアル」ノビー 火鍋老師は、咳払いをした。 火鍋「ん゛ん!!」ゴホゴホ ドウ「老師! 風邪ですか!?」 そして、片手を上向きに開いて、クイクイと動かしている。 火鍋「ん゛、ん!!」ゴホゴホ ドウ「……まさか! よしシャオ! 俺は風邪薬を……!!」 すると、老師は俺の拳法着の襟元を掴んで引き寄せた。小さな声で話しかけてくる。 火鍋「……かねだよかね」コソコソ ドウ「ええ!! 金をとるのですか!?」 火鍋「バカ! うるせえ! ……授業料だ。当たり前だよなぁ?」コソコソ 考えてみれば当たり前だ。俺たちは火鍋老師の息子でも娘でもない。 本人にとってはシャバイことなのか、シャオには聞かせたくないようだ。 火鍋「……ていうかお前ら、カネもってんのか」コソコソ ドウ「……人助けによるわずかばかりのお金と、ロンパオ老師の……」コソコソ 火鍋「何ィ!? 不労所得だとぉ!」 ドウ「声が大きいです老師!!」 火鍋「あン野郎はいけすかねぇ野郎だからなぁ……しっかし、羨ましい野郎だ……」コソコソ     * ? 男どもが何やらこそこそ話しながら向こうへ行っていく。 お互い、指で何か合図を取り合いながらうなずきあっている。 やがて、こちらへ戻ってきた。 火鍋「よし! 今から君たちに、とってもつよくなる方法を教えよう!」 なんかいつもと違う。 きれいな火鍋アル。 ドウ「……はい! 老師! 全身全霊で、老師のすべてを教えていただきます……!!」 ハゲはなにか悔しそうにしている。 シャオ「なに話してたアル?」ズイッ 火鍋「いやあ違うのだよ不労所得少女くん。ははは。君のパパはとても子供思いのよいパパだ。ははは」 ドウ「……すまん! シャオ! ……くぅうう」 ハゲが泣きそうになっている。 こういうとき私は何をすればよいのかわからない。 シャオ「わからないアル」 「とりあえず、修行を早くつけるアル!」 私は構えた。

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