たぺっと!! / 第17話

たくさんの神様と契約して異世界最強目指してるものです~17話~お疲れの時期です〜

魔王との死闘、そして時空を超えた涙の再会から少し刻(とき)が流れた。 戦いによる緊張が解けた空間で、てぺは目の前の存在にふと疑問を投げかけた。 「ジェネシスさんとは契約できないんですか??」 すると、自らを『時空の神』と明かしたジェネシスは、人差し指を立ててにやりと笑ってみせた。 「それは出来ないんだ……なぜか分かるかい??」 「んー……未来に飛べるからですか?」 「それもあるのだが……なんかそれだと面白くないだろう??」 「なにに面白さを求めてるんですかナレーションさんは」 「ジャネシスと呼べ!!」 間髪入れずにツッコミを入れるジェネシス。だが、てぺはまったく動じる様子もなく、ケロッとした顔で返す。 「嫌ですけど? でもナレーションさんと呼びますよ?」 「ジャネシスだと言っているだろう!」 二人の不毛なやり取りを横で見ていた風神・アルクレスが、がっくりと肩を落として叫んだ。 「いつから恋愛物語になったぁぁ!? これ、世界最強になって無双系的なやつじゃないのかよ!?」 「ま、いいじゃないか。恋愛系でも……」 「良くないだろ!!」 アルクレスが頭を抱えていると、ジェネシスが不意に真面目な顔つきになり、アルクレスの肩をポンと叩いた。 「アルクレスさん、ちょっと……」 次の瞬間、ふたりは空間の歪みとともにその場から消え去り、別の位相へと転移した。 「……魔族十血1位ゾシューデと戦った時、彼はこう言いました」 ジェネシスが静かに指を鳴らすと、空間に過去の光景が映し出された。 (回想シーン) 『いつの日にか……この選択が間違っていることに気づくだろう!!』 (回想終了) 消えゆく間際、ゾシューデが遺したあの言葉。 空間に浮かぶ残像を見つめながら、ジェネシスは重々しい声で告げた。 「その真実を……今からお伝えします」 ジェネシスはゆっくりと口を開き、ある「事実」をアルクレスの耳元で囁いた。 それを聞いた瞬間、アルクレスの表情が凍りつく。顔からはスーッと血の気が引き、絶句した。 「ど、どうして……っ!?」 ジェネシスの表情もまた、見たこともないほど暗く、重く雲っていた。この世界に迫る、さらなる影の存在を暗示するかのように――。 一方その頃、二人残されたこはるとてぺ。 「えーっと〜……」 てぺがどこかぎこちなくモジモジしていると、こはるが両腰に手を当てて怒ったように胸を張った。 「なんじゃ前みたいに堂々とせい!!」 「ってゆうか! なんで黙ってたん!? よくよく考えたらヒナとこはるって、同時に俺の前に現れなかったよね!? 魔王から招集されて会った時も、ヒナが消えたらこはるが現れたし!!」 てぺが「すべてを見抜いたぞ」と言わんばかりに指をさすと、こはるはふんと鼻を鳴らし、どこか嬉しそうに微笑んだ。 「ふふん、よく気づいたな。そんな些細なところに気づくお主を、我は誇りに思うぞ」 「あはは、これからもよろしくね、ヒナ!」 『ヒナ』という名を口にした瞬間、こはるの目がジト目に変わった。 「……以後、その名は禁止じゃ」 ゴオオッ!! 「あちちちちっ!? あついあつい!! さすが炎神! 容赦ない!!」 こはるが放った燃えさかる炎魔法に包まれ、てぺは大慌てで暴れ回るのだった。 その頃、地上――。 遠く離れた場所から、二人のやり取りを観察している一人の影があった。 空を飛んでいた一羽の鳥がスーッと降りてきて、その「謎の人物」の肩に止まる。 「……ありがとう」 鳥から情報を受け取った謎の人物は、遥か上空の二人を見上げて呆れたように呟いた。 「な、なんだあの二人……めっちゃ熱々じゃねえか……!!」 謎の人物が思わずイラ立ちを込めて強く地面を蹴りつけると、ドオン! と凄まじい衝撃波が走り、周囲の地面が大きく裂けた。 「わっ!?」「な、なんだ今の揺れ!?」 通行人たちが叫び声を上げ、パニックになる。 そこへ、重い雰囲気を纏ったままのジェネシスとアルクレスが転移で戻ってきた。 「あ、おかえり〜」 のんきに手を振るてぺを見て、アルクレスは拍子抜けしたように言った。 「帰ってきたら気まずそうにしてると思ったけど、いつも通りのふたりでよかったよ。……ところで、いつもなら……」 (回想:てぺがバトル後に『ふぇ〜』と脱力してバタッと倒れるフニャフニャのイメージ図) 「……みたいになるのに、今日は倒れんのか?」 「あれ? アルクレスがバフをかけてくれてるんじゃないの??」 てぺが疑問に思うと、こはるが空間に手をかざした。 「ステータスオープン」 【てぺのステータス画面】が表示される。 じっと画面を見つめていたこはるが、首を傾げた。 「アルクレスのバフはかかっておらぬのう……」 「そうだよ、かけてないよ……」 「「…………」」 言葉が途切れ、その場に不穏な沈黙が流れる。 大技を使った後にもかかわらず、バフもなしにピンピンしているてぺの異常さ。そして――次の瞬間、一同の肌を刺すような「多大なる魔力」が地上から立ち上った。 全員の視線が、一斉に地上へと注がれる。 (うお……気づかれたか……!?) 地上にいた「謎の人物」は冷や汗を流し、すぐさま背を向けて逃走を図った。 「逃がすか! 『隔離魔法・特性発動範囲拡大』!!」 てぺが即座に空間を遮断する強力な隔離魔法を展開する。だが――! 「なっ……魔法が効かない!?」 術式をあざ笑うかのようにすり抜け、謎の人物の気配は一瞬にして掻き消えてしまった。 残されたてぺたちの上に、底知れぬ新たな嵐の予感が漂い始めていた――。

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