芦名 雅 / 第12話

二十日目

おそらく、今日は二十日目で間違いないだろう。 王都へ連れて来られてから、日付を数える余裕もなかった。 ようやく、このノートが私の手元へ戻ってきた。 忘れてしまう前に、思い出せる限り書き残しておこう。 十四日目 村の外が朝から騒がしかった。 何事かと思い外へ出ると、空を飛ぶ巨大な生き物が村の広場へ降り立っていた。 若者が興奮した様子で教えてくれた。 あれは王都の竜騎士様だという。 本来、このような小さな村へ立ち寄ることはないらしい。 飛竜の一頭が体調を崩し、この村の近くで休息を取ることになったため、予定を変更して立ち寄ったのだそうだ。 私はその姿を眺めていた。 あれなら、歩けば半年かかるという王都へも、短い時間で辿り着けるのではないか。 そんなことを考えていた。 その時だった。 村長の老人が竜騎士の一人へ近づき、周囲に聞こえないよう何かを耳打ちした。 話が終わると、老人は足早にその場を離れる。 耳打ちを受けた竜騎士は、一瞬だけ私の方へ視線を向けると、慌てた様子で仲間のもとへ走っていった。 何があったのだろう。 そう思う間もなかった。 気が付けば、何人もの竜騎士たちが私を取り囲んでいた。 剣を抜く者はいなかった。 だが、その目は明らかに私を警戒していた。 私は何事なのか尋ねた。 しかし、誰一人として答えてはくれなかった。 あっという間に両手を後ろへ回され、縄で縛られる。 抵抗する間もなかった。 続いて足も縛られ、そのまま一頭の飛竜の背へ乗せられた。 私は何が起きているのか理解できなかった。 それからは体の自由を奪われたまま、王都まで何日も空の上を進んでいた。 飛竜の背に縛られ、降ろされるのは食事と休憩の時だけだった。 どこを飛んでいるのかも分からず、ただ眼下を流れていく景色を眺めることしかできなかった。 四日ほど経った頃だった。 遠くに、大きな街が見えてきた。 とはいっても、私の記憶にあるような都会ではない。 高い城壁に囲まれた石造りの街が広がり、中央には巨大な城がそびえ立っている。 まるで物語に出てくる王都そのものだった。

運営おすすめ

週間ランキング

全ランキング

反応スコアランキング

もっと見る

PV・ブックマークランキング

もっと見る

更新された連載作品

すべて見る
読み込み中…

新着短編

すべて見る
読み込み中…

作品一覧

読み込み中…

作品ダッシュボード

作品全体の公開状況と、読者からの反応をひと目で確認できます。

作品パフォーマンス

選択期間のPVが多い順

上位5作品
ライブラリ

作品の公開状況と構成

最近の更新

最後に編集した作品

要チェック

公開前に確認したい項目

プレビュー
読者に表示される見た目

表示設定

文字サイズ
100%
背景色
縦書き表示
リッチモード
目次
読み込み中…

キーワードを入力して作品を探しましょう

アクセス解析
アクセス解析データは 5分おき に自動更新されます
読み込み中…
ランクイン記録
通知
通知はありません
地形ブラシ
25
スタンプ
ツール
装飾
表示
100%

世界地図

100%

REACTION SCORE

反応スコアの内訳