雪森蓮 / 第6話

見られても知られてもいいけどさああああ(´;ω;`)

僕のノートPCの前で、 颯太が勝手に笑っていた。 嫌な予感しかしない。 「……なに見てんの」 「んー?」 こいつ、絶対ろくでもない顔してる。 僕は嫌な汗をかきながら机に近づいた。 そして固まる。 「は???」 画面には、 ログイン済みの小説投稿サイト。 しかも開かれているのは、 昨日アップしたばかりの新作だった。 「お前、なに勝手に見てんだよ!!」 「いいじゃん。読者だぞ俺」 「だからって勝手にログインすんな!!」 「パスワード簡単すぎ」 「余計なお世話だ!!」 颯太は人の椅子でくるくる回りながら、 勝手にスクロールしている。 最悪だ。 死にたい。 「へー。“夜明けの向こう側で、君と”ねぇ」 「読むな!!」 「昨日二時間歩いてる時に考えたネタ?」 「なんでわかるんだよ!!」 「文章が徒歩帰宅後の湿度してる」 「なんだよその感想!!」 海斗は後ろでポテチを食べながら笑っていた。 「ギャハハハハ!! “徒歩帰宅後の湿度”www」 「お前ら帰れ!!!!」 僕はPCを奪い返そうとした。 だが。 「っ……!!」 足が痛い。 昨日の徒歩二時間。 筋肉痛が、 ここに来て僕を裏切った。 颯太はニヤニヤしながら、 人差し指をキーボードに置いた。 「ちなみにさ」 「やめろ」 「お前の400話」 「やめろ」 「今ならBackspaceキー一つで」 「やめろぉぉぉぉ!!!!」 僕の叫びはいつもむなしく空に散る……

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