綿ダッコ / 第38話

第37話 悪天候すぎやしませんか?

 決意した次の日、雨だった。  結構近くで雷も鳴っている。  低気圧で、頭が少し痛い。 「安良子さん、おはよう——」 ——ドカーン 「「え!?」」  すごい音と目の前が明るくなったと思ったら、帝天が居る建物が燃えていた。  もしかして、雷が落ちた!? 「雅道さん、舞子様を!!」 「そうですね!!」  俺たちは慌てて、舞子の部屋を元へ駆けつけた。  部屋には舞子と一子しか居ない。 「舞子様、雷が落ちました!!早く避難を!!」 「そうなの!?…………でも、ちょっと待って」 「火事ですよ!?」 「安良子、一子をよろしく頼んだわ」 「承知致しました!!」  舞子はなぜか、火事現場の建物に行った。  何をしてんの!? 「舞子様、そっちは!!」 「一馬様をお救いしないと!!」 「舞子様、危ないですって!!」  屋根も真っ黒になっている。  いつ落ちてきてもおかしくない。 「一馬様…………!!」  一馬帝天が廊下に出ていた。  侍司は居ないのだろうか…………? 「舞子、なぜここに!?」 「そんなことは良いですから、早く逃げましょう」  さすがの一馬帝天も、焦っている。  一馬帝天も舞子も煤だらけだ。 「ちょっと待て!!八子は!?」 「きっと、逃げておられます。燃え広がっています!!」 「一馬帝天様!!」  後ろから侍司らしき人が走ってきた。 「八子は!?」 「早くお逃げください!!」 「いや、八子も見に行く!!」  現場は混乱している。  このまま2人をここに残すのは危険だ。 「それは私が行きますから、一馬帝天様と舞子様はお逃げください!!」 「屋根もいずれ落ちてきます!!」  説得するしかない。 「…………必ず、内宮に連れてこい。分かったな?」 「はい、必ずやお助け致します!!」  俺は出来るだけ安全なルートで、裏門から出た。  道路には牛車が止まっていた。  2人はそれに乗り込んで、牛車が猛スピードで進む。  俺もそれに合わせて、走る。  とにかく、離れるしかない。 ◇ ◇ ◇ ◇ 「一馬帝天様、よくぞご無事で!!こちらへ」  一馬帝天の外宮に降ろし、俺たちは舞子の内宮へ向かった。 「雅道、大丈夫?」 「はい、大丈夫、です…………。舞子様は?」 「大丈夫よ。着いたらすぐに水を用意させるわね」 「お気遣い、ありがとうございます」  とりあえずは大丈夫そうだ。  燃えていることが、少し離れた内宮でも良く見える。  …………よく、体動いたな。 「舞子様…………!!」  内宮に着くと、安良子さんが牛車から出てくるところだった。 「安良子、大丈夫!?」 「はい、一子様もご無事です」 「良かった…………」 ◇ ◇ ◇ ◇ 「再建するまでは内宮にて過ごすようにと、一馬帝天様からの伝令です」  色々整えた俺たちは、なんとかいつも通りの状態にした。  他の女房も、順次ここに来るらしい。  …………というか、すぐに戻ってきたな。 「それと…………」 「何?」  逃げてきたであろう治輔が言い渋っていた。  何か他にあるのか…………? 「八子様のお姿が見られないとのことです!!」

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