逸漣 / 第11話

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2  ぷにちゃんの名前は『夏木ゆに』。ゆにちゃんも可愛い名前なんだけど、幼い頃からぽっちゃりさんで、小学生のときにはすでに『ぷにちゃん』って呼ばれていた。  背も小さくて、プクっとほっぺが可愛くて『ミルク』の香りがするの。なんでかな、抱きしめるとほのかな赤ちゃんの匂い。産まれたての弟の、粉ミルクに似た匂い。 弟の誕生と共に、「あたし以外」の家族が一家団欒を過ごし始めた。それならあたしは、ぷにちゃんと一緒にいたいと思った。  おチビちゃんだから、クラスの男子に「でぶぷにー」ってからかわれると、すぐに泣いてしまうぷにちゃん。だからあたしがバット一本で黙らせてやった。あたしの視界が一瞬だけモノクロになった―― 「マリちゃん、止めて!やり過ぎだよ!」    普通、頭にバットなんて振り抜けないらしいね。あたし、そういうの感じないからわかんない。  お母さん、学校呼び出されて怒られてた。  その日から、あたしは食事を自室で摂ることになった。
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