曇りの夜空 / 第1話

第一話 拝啓 花染夢邦様 死ね

『拝啓 花染夢邦様  まず死ね。次に死ね。出来得る限り苦しい死に方して、そして生き返って、もう一回死ね。出来れば屈辱的に死ね。  さて、お前なんかに文字を書くという労力を多く使うのはムカつくから単刀直入に言う。早々にネレイド館へ迎え。さもなくば人が死ぬぞ』  下校時間で、甲高い声が騒がしくこだましている小学校の下駄箱にこんな怪文書が裸で置かれていた。わざわざ小学校に不法侵入してまで置いたラブレターにしては見た目、内容ともになんとも味気ない。即座に熔鉱炉にでもぶち込みたいところだけど、そうもいかないらしい。  あたしは心内で雲が落ちてきそうな勢いでため息を吐いた。わざわざ自筆で書かれたこの下手くそな筆跡に見覚えがあったのである。  あのバカテロリスト……9歳の清廉な少女になんつーもん送ってきてんのよ。 「夢邦、どーしたの?」  濃い桜色の長髪をふわりと揺らしながら、我が愛しの双子の姉である花染琴流お姉ちゃんが手紙の内容を覗き込まんとばかりに首を近づけてくる。頬を綻ばせており、目が爛々と桃色に輝いている様はなんとも愛おしい。 「ふふふ、別にそんな楽しい内容じゃないわよ。でもちょっと用事が出来たから先にお暇させてもらうわね」 「ええなんで? 何だか知らないけど私も一緒に行くよ」  モミジのような愛くるしい手を優しく握りしめながら意気込みを示すお姉ちゃんの拳にそっと手を添えて、出来得る限り安心感を与える笑みを送った。 「プライベートなお話なのよ。すぐに帰ってくるから、帰ったらいっぱい遊びましょう」 「……うんっ。それじゃあ先に帰ってるからね。バイバイ」 「ええ」  後ろ髪をトラックで引かれているかのような錯覚に一瞬だけ陥ったあとあたしはスマホを取り出す。 「もしもし、雫。悪いんだけど車出してくれないかしら? 逆ナン中? どうせ失敗するんだからさっさと切り上げてこっち来なさい。10分以内に来なかったら減給するから」 ピーチク言われる前に通話を切って、今度は現実世界で深―くため息を吐いた。 「めんどーーーーーーくさい」  あたしの名前は花染夢邦。初川家という愛に溢れた素敵な忍者集団の1人をパパ、そして花染家という加齢臭漂うオッサンどもがデカい顔しがちなイキり軍団の中で産まれてしまった可憐な女性をママに持つ9歳の女の子である。
小説を投稿してみました、まだまだ若輩者ですがよろしくお願いします。 ミステリーではありますが、色々な要素が入っているので色んな楽しみが出来ると思います

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