人生平坦道 / 第12話

私何かしましたか?

村長の視点です
 夜が更け日付が変わろうとしていた頃。私の家の中は部屋の灯りが既に消えており微かな月明かりのみが窓から入り込んでいた。  その光に反射するよう壁には二つのアンバランスな胴体のシルエットが妖艶に映し出している。 「はぁはぁ……ねぇ次はどうする? どうして欲しいの?」 「ミリシェラさん。もう体が持ちません……許して下さい。」 「またまたそんなこと言ってこっちはまだ元気そうだけど……。」  そう言いながらオークの頬にキスをする。身体が一瞬びくりと跳ね、段々と呼吸が荒くなっているのが分かる。  さぁ次はどうしようかしらと妖艶の笑みを浮かばせ、ギシギシとベッドの音を立てながらオークの腹部に馬乗りするように動いた。 「じゃぁ次は……。」  コンコンコン……。  どうしようかしらと言いかけていた途中に玄関からノックをする音が聞こえた。 「ミリシェラさん……誰か来客が来たのでは?」 「こんな夜も遅いのに誰も来ないわぁ、きっと風で小石が当たったんじゃない?」  コンコンコン……。再度鳴るノックの音。 「や、やはり誰か来ていますよ、出た方がいいのでは?」  「こんな時間に来訪する常識知らずなんて放っておけばいいわよ、それよりつ・づ・きしましょう?」  コンコンコン……。三度目のノックが聞こえさすがにイライラが募る。はぁ、こんな夜更けに一体誰が来たというのかしら。 「ったく分かったわよ、はいはい今出ますからちょっと待ってくださーい。」  ベッドから出て服を手にした瞬間ドカーンと玄関が爆発したように吹き飛んだ。え? 何事?  中にいた私達は呆気にとられ悲鳴を上げる事すらできなかった。 「ちわーっす、殺し屋でーす、なーんちって。」  大きな棒状の物を片手で肩に担ぎゆっくりと私達に近付く女性が姿を現す。その姿はまるで大きな鎌を持った地獄からの使者。  口角は吊り上がっており表情は笑っているように見えたが、目だけは見開いた上にじっと獲物を捉えた肉食獣のように殺意に満ち溢れていた。  その標的が家の中にいる私達であると察した瞬間、汗が体中からぶわっと吹き出し固まっていた体がようやく動き出す。 「きゃぁああああッ!」「うわぁああああッ!」  驚きと恐怖による叫びが村に響き渡るが誰もそのことを気にすることは無かった。
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