芦名 雅 / 第15話

二十二日目

朝から神殿の中が何やら慌ただしかった。 廊下を慌ただしく行き来する人の姿が目立ち、どこか張り詰めた空気が漂っている。 何かあったのだろうか。 そう思いながら部屋で過ごしていると、昼頃になって突然、見知らぬ男性が部屋へ入ってきた。 勢いよく扉を開けると、そのまま私へ詰め寄ってくる。 何度もどういうことだ、と繰り返していた。 だが、私には何のことなのかまったく分からない。 事情を説明しようとしても聞く耳を持ってはくれず、今にも殴りかかってきそうな勢いだった。 その時、エルフ様が部屋へ来られた。 エルフ様が何かを話されると、男性は不満そうな表情を浮かべながらも部屋を出て行った。 ようやく静かになった。 しばらくして、昨日食事を運んできてくれた小間使いの女性が昼食を持って来られた。 私は先ほどの騒ぎについて尋ねてみた。 最初は答えにくそうにしていたが、少し困ったような表情を浮かべながら事情を教えてくれた。 何でも、エルフ様が今朝突然、神官長をはじめ、すべての役職を退かれたのだという。 私は、それがどれほど大きな出来事なのか尋ねてみた。 だが、小間使いの女性は驚いたような顔をすると、この国がひっくり返るほどの大事件だと教えてくれた。 私には、その言葉の重さがよく分からなかった。 だが、今日の神殿の慌ただしさを見ていると、それほど大変な出来事なのだということだけは理解できた。 昨日まで、あれほど穏やかだった王都で、一体何が起きようとしているのだろうか。

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