かんすい / 第1話

【おじいちゃんの誕生日】|本文

僕のスマートウォッチがもうじき明日を刻もうとしている 家に着く頃には、もう明日だ 最近、最終電車で帰ること多いなぁ 今日仕事行ったら、今日帰りたいよ 明日に帰るなんて、軽いタイムトラベルだよ ふぅ 彼はマンションへと帰る途中だった タッタッッタ 歩く自分の足音が聞こえる 足音にもう1つ音が重なった ブルブルブルルルルル うん!? なんかスマートウォッチの振動がいきなりし出た うん?なんか設定してたっけ?こんな時間に 暗い道で立ち止まり、 画面を見ると 『おじいちゃんの誕生日』 と表示されていた。僕の名前だ。 だけど、ちょっと待った!そりゃ仕事疲れしてるけど鏡を見ても流石におじいちゃんは切ない。 、、、あー、そっか。明日は僕の誕生日だったんだ。 それすらも頭から追い出されていた。 僕は家に辿り着く前の道で明日になり、誕生日を迎えたのか、、、周りには誰も見えない にしても、僕は自分の誕生日出るように設定してたかな???しかも、おじいちゃん、、、 、、、、帰ろ と歩き出そうとした矢先 ブルルルルルブルルルルル またスマートウォッチが振動し僕が歩くのを引き止めた え?自分の誕生日を2回通知設定?もしかして。どんだけ自分が好きなのよ。え? と、画面をみたら、なんだかさっきと違い文字が流れてる。 『おじいちゃん、言い忘れたことあった。若い時から無理したの良くなかったって言ってたよ。おじいちゃん大好き。お小遣い貯めて、お母さんに頼んでタイムメッセージを送ってもらいました。長生きしてね。お外で遊べたらいいな』 なんだこれ??女の子の声だ。聞いたことない声。でも、なんかほっておけない声。後半少し声が滲んでいたような。 ピー タイムメッセージは以上です。返信もお受けできるメニューを注文されてます。この後のブザー音の後に、スマートウォッチに話しかけて下さい。 僕の理解のスピードなんてお構いなしに、いきなりクイズ番組の回答席に座り、参加させられてる気分。え?まってまってまって ピーーーーーー 「え、えーと、こちら、おじいちゃんでないおじいちゃんです。誕生日祝ってくれてありがとう。祝ってもらったの何年振りだろう。僕の健康を心配してくれてありがとう。そーだな、女の子を安心させたいな、えーと、」 「とりあえず、明日仕事行ったら、明日帰るからね。そこから始めるね。」 ピーーーーーー (了)

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